『Revolutionary Road』(2008年、アメリカ ,1/19/09)

Leonardo DiCaprioとKate Winsletが『Titanic』以来のコンビということで、どんな映画かなぁと思って見てみました。予告編から「結婚生活に行き詰まった夫婦の物語」だと分かっていたのですが、まさにそれでした。結婚しちゃうと、やっぱり生活に疲れちゃうんでしょうか。夢をなくし、お互いへの愛情をなくしてしまった二人の閉塞感がひしひしと伝わって来ました。それでも家庭を大事にしようと思う夫と、家族を守るためと言って夢を諦めてしまった夫への嫌悪感だけが募る妻の間の埋められない溝のようなものが見えて、ちょっと辛くなりました。(★★★★☆)
(あらすじ)
1950年代。女優志望のAprilはFrankと恋に落ちて結婚します。幸せな生活を夢見て、ニューヨーク郊外の住宅街にあるRevolutionary Roadに新居を構えるのですが、夫は会社でのつまらない仕事をいやいやこなす毎日。会社の若い女性社員と浮気を始めます。Aprilも子育てに追われ女優への夢を諦め、二人の生活は味気ないものになっていきます。そんな毎日に耐えられなくなったAprilは、全てを捨ててパリに引っ越そうと言い出し、Frankもその話に乗り気になります。パリに行ったらAprilが働き、Frankは自分が何をしたいのかを見つける…そんな理想的な生活への希望は膨らむのですが、隣に住む夫婦には呆れられ、周囲には理解者はいないのでした。
引っ越しの準備を着々と進める中、Aprilが妊娠。二人のパリ行きの計画は頓挫します。Frankはそんな中、新しい会社に引き抜かれてやりがいのある仕事をもらいますが、Aprilは挫折感に苛まれます。そんな心の隙間を埋めるために、隣の家の夫と関係を持つApril。家庭を守ろうとするFrankの姿が負け犬のように感じられるのでした。自分の浮気を告白し、詫びるFrankに、「なぜそんなことを私に言うの。どうでもいいことなのに」と素っ気ないApril。彼女にはもはやFrankへの愛情は残っていないのでした。喧嘩をして家を飛び出したAprilを追うFrank。しかし、AprilはFrankをことごとく拒絶します。
翌朝、Frankが目覚めるとAprilが甲斐甲斐しく朝食の準備をしています。やさしくFrankを送り出すAprilに、家庭の危機は去ったと安堵するFrankでしたが…。Frankが出かけた後、Aprilはすでに4カ月になる胎児を自分で中絶しようとし、大量に出血します。Frankが病院に駆けつけた時には、すでに手の施し用がなく、Aprilは息を引き取ります。Frankは二人の子供を連れ、Revolutionary Road を去って行くのでした。
『Slumdog Millionaire』 (2008年、イギリス、1/16/09)

スラム街で生まれ、幼い時から兄と二人で浮浪児として暮らして来た青年Jamalが「Who wants to be a millionaire?」というクイズ番組に出演し、好成績をあげます。しかし、ろくな教育を受けていない彼が、これまでにない光学の賞金を手にしたことから、ずるをして答えを知っていたんじゃないかという疑惑をかけられて、警察に連行されて拷問を受けます。取り調べをする刑事とのやり取りの中で、どうしてその問題に答えられたのかを話し、身の潔白を証明するJamal。そのやり取りを通じて、彼の生い立ちが明らかになっていくのでした。最後は、おぉ〜っというエンディングで、見応えもあったし、救いもあったし、いい映画でした。(★★★★★)
(あらすじ)
18歳のJamalは「Who wants to be a millionaire?」というクイズ番組に出演し、好成績をあげます。しかし、ろくな教育を受けていない彼が、これまでにない光学の賞金を手にしたことから、ずるをして答えを知っていたんじゃないかという疑惑をかけられて、警察に連行されて拷問を受けます。どうして問題に答えれたのか、一つ一つ説明し、身の潔白を証明する中で、それまでのJamalの生い立ちが明らかにされて行きます。
Jamalの子供時代。心優しいJamalに対し、兄Salimは小ずるく、Jamalが手に入れた俳優のサインを勝手に売ってしまったり、金のためにはなりふり構わないところもあります。二人が住んでいるスラムが、ある日反イスラムの暴徒に襲われます。目の前で次々に殺されていく人々。ようやく逃れたJamalとSalimは親と生き別れたLatikaという少女とともにゴミ捨て場でゴミを漁って暮らし始めます。そこに現れたのは親切そうな男。彼は浮浪児を集めて、物乞いをさせて金を稼いでいるのでした。もっと同情が引けるようにと、子供の目を平気で潰したりする非道な男の元から、Jamal達は逃げ出すのですが、Latikaは逃げ遅れてしまいます。貨物列車に乗り、Taji Mahalに辿り着いたJamalとSalimは、観光客から盗んだ物を売りさばいてお金を作り、Latikaを探しに帰ります。
そこで、売春婦として売るために芸を仕込まれていたLatikaを救い出した二人ですが、Salimは町のヤクザに取り入るためにLatikaをヤクザの親分に売ることにし、Jamalを裏切るのでした。
成長してからのJamal。電話でセールスをする会社でお茶を出す仕事をもらったJamalは、会社のコンピューターでSalimの電話番号を調べ、連絡をします。会いに来たのはヤクザになり少し羽振りがよくなったSalim。その後をつけたJamalはLatikaがヤクザの親分の元に囲われていることを知ります。ヤクザに暴力を振るわれることを恐れて、一緒に逃げようというJamalの誘いを断るLatika。しかし、Jamalは駅で待ち合わせする約束をして去って行きます。毎日同じ時刻にLatikaを待つJamal。ようやく現れたLatikaですが、追って来たヤクザたちに連れ去られてしまいます。
そして、JamalはLatikaが見ていた「Who wants to be a millionaire?」というテレビ番組に出たら、きっとLatikaは自分に気付いてくれると考え、番組に応募します。
ここまで説明したところで、Jamalが最高賞金を手にできるかどうか、番組の二日目の収録の時間がやってきます。話を聞いて来た刑事はJamalの話を信じて釈放し、彼はテレビに出演することに。また、SalimもJamalの一途な思いに打たれ、Latikaを逃してやるのでした。Salimがくれた車でひたすらテレビ局に急ぐLatika。その頃Salimは親分を裏切ったことがばれて、殺されていました。そして、番組の最後の問題…Jamalは友人に答えを聞くというライフラインを使うことにして、Salimに電話をかけます。しかし、SalimはLatikaにその携帯電話を渡していました。慌てて電話に出るLatika。でも、彼女も問題の答えは知りません。Jamalは全くの勘で正解を当てて、大金を手にします。そして、その夜、二人は待ち合わせて逃げるはずだった駅のホームで再会するのでした。
『Brick Lane』(2007年、イギリス、1/14/09)

学のある夫との暮らしを夢見て、バングラデシュからロンドンに嫁いで来たNazneenですが、年齢差がある夫との暮らしは苦労ばかり。年下の男性Karimに惹かれ関係を重ねていくNazneenですが、夫は突然バングラデシュに引き揚げることを決めてしまいます。恋も知らぬまま親が決めた相手と結婚したNazneenがKarimとの出会いで、少しずつ「自分」を見つけて行く過程を描いた映画です。情けない夫Chanuが最後にはなかなかいい人に見えてくるのは、彼が心の中ではいつも家族を一番大事に思っていたからんでしょうか。(★★★☆☆)
(あらすじ)
1980年代、バングラデシュの田舎の村で暮らしていたNazneenは17歳の時に父親が選んだ年上の男性Chanuと結婚するためにロンドンに旅立ちます。ロンドン東部にあるBrick Laneは労働者階級が住む貧しいアパートが立ち並ぶ地域。裸足で土の上を走り回っていたバングラデシュでの暮らしを懐かしむNazneen。後に残った妹Hasinaのことが気がかりなNazneenですが、ロンドンでの暮らしは貧しく、妹に会いにバングラデシュに帰ることはできそうもありません。
16年が経ち二人の女の子に恵まれ、ささやかに暮らすNazneenですが、Chanuは学歴をひけらかすわりには能力がなく、失業してしまう始末。プライドばかり高いChanuは反対しますが、Nazneenは近所にすむ女性から縫製の下請け仕事をもらい、ミシンを借りて内職を始めます。Nazneenはお金を貯めて、どうしても妹に会いに帰りたかったのです。
しかし、ChanuはNazneenが作ったお金をどんどん使い、挙げ句には高利貸しからも借金をして来ます。Nazneenは縫製の仕事を持って来る若い男Karimに次第に惹かれていきます。karimは移民の地位の向上のために政治運動もしている志の高い男。NazneenはChanuとは全く違うKarimと逢瀬を重ねるのでした。
そんな時、ロンドンでの暮らしに行き詰まったChanuはバングラデシュに引き揚げることを決めます。家財道具をどんどん処分し、引き揚げの準備を始めるChanu。反対する娘達。NazneenもKarimと別れて帰る決心がつきませんが、夫には何も言えないのでした。KarimはNazneenに結婚を申し込みますが、まだ自分の夢を追っているKarimと自分の間にも隔たりがあることを感じたNazneenはその申し出を断ります。そんな姿を見て、長女Shahanaの怒りは爆発。「どうして帰りたくないって言わないの?どうしてお母さんは自分がどうしたいか言わないの?」と叫び、家を飛び出してしまいます。必死で後を追うNazneen。Chanuはそんな家族を見て、自分一人でバングラデシュに帰ることを決めます。また、Nazneenも「今ではここが私の家なのよ」と初めて夫に自分の思いを打ち明けるのでした。
Chanuが旅立って行った翌朝、外は雪が積もって真っ白。Nazneenと娘達は、一緒に雪の中で戯れるのでした。
Gran Torino (2008年、アメリカ、1/11/09)

アメリカのどこにでもある青少年のギャンググループ、その対立。一人の昔気質の老人が、命をかけてギャングに立ち向かって行くという物語は、ウェスタンの世界に通じるものがあるのでしょうか。
アジアからの移民に囲まれ、「野蛮人ども」と悪態をついていたWaltが、憎まれ口をたたきながらもHmong族の少年Thaoと心を通わせていく心温まる展開がよかったです。
この映画、監督と主演はClint Eastwoodで、その息子Scott Eastwoodも出演。さらにもう一人別の息子のKyle Eastwoodが音楽担当と、Eastwoodファミリーが関わっている映画なのでした。(★★★★☆)
(あらすじ)
ミシガンの寂れた町に住むWalt Kowalski は、朝鮮戦争から帰還した後自動車工場に勤め、定年後は妻と愛犬とともに静かな生活を送って来ました。妻の葬式の日、隣の家にはHmong族の一家が引っ越して来ます。Waltが住む界隈にはアジアからの移民が多く住み、仕事にあぶれた若者達がギャンググループを作って、ヒスパニック系やアフリカ系のギャンググループと対立を繰り返していました。
隣の家の少年Thaoは無口で内向的。同じ民族のギャンググループに無理矢理誘われ、そのイニシエーションとしてWaltの家のガラージにある年代物のスポーツカーGran Torinoを盗みに入ります。しかし、Waltに見つかり、Thaoは退散します。翌日ギャング仲間に入れなかったことで嫌がらせを受けているThaoを、自分の車を盗みに来た泥棒だとは知らずに助けるWalt。それをきっかけに、Thaoの家族や親族からは恩人として敬われるようになるのでした。そして、Thaoとは対照的に社交的で気が強い姉のSueに引きずり込まれるように、近所付き合いを始めます。そんな時、Waltはガンに冒され、自分の人生は残りわずかであることを知ります。そして、実の息子にはよそよそしい態度でありながら、ThaoとSueには心を開いて行きます。Thaoに家の修理の仕方を教えたり、建設現場の仕事を紹介したり、父親のように接していくWalt。
Thaoがギャング仲間に襲われたことを知った時、Waltの怒りは爆発し、ギャングの仲間に入っているThaoのいとこを襲い、「Thaoには手を出すな」と忠告します。しかし、それが裏目に出て、ギャングの一味はThaoの家を銃で襲い、帰宅途中だったSueはレイプされてしまいます。どうしてもギャングの一味に復讐したいと血気づくThaoに落ち着くように言い、Waltは髪を切り、スーツを作り、初めて教会の神父に懺悔をし、さらに自宅の地下室にThaoを閉じ込めて、一人でギャング一味が住む家に向います。銃を持って出て来るギャング達と対峙したWaltは煙草に火をつけようとポケットに手を…。銃を取り出すと思ったギャング達の銃弾に倒れてWaltは帰らぬ人になります。Waltを銃撃したことでギャングの一味は長期刑を受け、町は平和になります。
そして、Waltの葬式の日、ThaoとSueはHmong族の正装に身を包み、教会へ向います。葬儀の後、Waltの遺書を読み上げる弁護士。あれほど大事にしてきたGran TorinoをThaoに残して、Waltは旅立って行ったのでした。
『Burn After Reading』(2008年、アメリカ、1/10/08)

Coen兄弟のハチャメチャなコメディーです。去年の秋に公開された時に見逃したのでNetflixで借りました。
全ての登場人物が「大人としてどうかな…」という魅力のない、それでいてちょっと憎めない人物。
美容整形手術の費用を稼ぐために危険な賭けに出ちゃう40代のLindaは、ネットのお見合いサービスで次々と男と出会い、初めてのデートで寝ちゃっては失望するという毎日。その同僚でおつむが弱そうなChadは、後先考えないタイプ。Lindaに首ったけの中年男Tedは、そのことをLindaに言えずにウジウジと悩むばかり。
仕事を首になり女房に逃げられたOz、Ozの妻でHarryと浮気中のKatie。Katieとの関係を続けながらも、ネットで知り合ったLindaとも関係しちゃうHarry。
こんな中年男女がてんこ盛りな映画でした。
でも、笑えましたね〜。さすがCoen兄弟!(★★★★☆)
2008年に見た映画の中で、このブログに残したのは全部で98本。
その内訳は…
アメリカ映画44本
外国映画50本
日本映画4本
今年見た映画の中で、一番印象に残った映画は『La Misma luna (Under the Same Moon)』(メキシコ) です。他にも
Santa Barbara International Film Festivalで見た映画はどれも秀作揃いで、寒空の下並んで見てよかったと思いました。
ミュージカル映画では、ビゼーのカルメンを現代に置き換え、南アフリカの現地の言葉で歌い上げた『U-Carmen (e-Khayelitsha)』(南アフリカ)が力強く、とてもよかったです。
邦画は去年「見たい映画」にリストしたもののNetflixで運良く手に入ったのは『フラガール』だけ。もともと日本映画はそんなに見ませんが、話題になっているものをもう少し見たかったなと思いました。
年が明け1月の下旬は、またSanta Barbara International Film Festivalです。体力つけて頑張ります。
『The Curious Case of Benjamin Button』 (2008年、アメリカ、12/31/08)

皺だらけの老人のような風貌で生まれ、年を取る毎に体が若返って行くBenjamin。その奇異な人生の中で、彼が体験した出来事を、日記を読み返すと言う形で紐解いて行きます。なんじゃこりゃ〜という設定ですが、不思議と抵抗なくストーリーに入り込めます。そして、老人がいつの間にか老人に扮したBrad Pitになり、さらに見慣れた現在のBrad Pittになり、さらに若かりし頃のBrad Pittになっていくという、何とも不思議な光景を見ます。3時間近い長さでしたが、楽しめる映画でした。(★★★★☆)
(あらすじ)
2005年8月、大型のハリケーンが迫るニューオリンズの病院で、死にかけている母親を娘Carolineが看護しています。苦しい息の中、母親はCarolineに古い日記を読むように頼みます。それは、Benjaminという男性の日記でした。
1918年、第一次世界大戦の終戦に湧くニューオリンズに、一人の男の子が誕生しました。誕生の知らせを受けて駆けつけた父親Thomasが目にしたのは血まみれで息を引き取った妻と誕生直後なのに老人のように皺だらけの我が子でした。ショックを受けたThomasは老人ホームの玄関先に赤ん坊を捨ててしまいます。その子はホームで働くQueenie に拾われ、Benjaminと名付けて育てられます。80過ぎの老人にしか見えないBenjaminですが、彼は年々若返って行くという奇妙な人生を送ります。老人ホームに住んでいる祖母を訪ねて来るDaisy に恋心を抱くBenjaminですが、見た目があまりにも違い過ぎる二人の恋は成就しそうにもありません。10代の青年になったBenjaminはタグボートの乗組員として働き始めます。ある時、盛り場で声をかけて来た男は実はThomas。彼は父親だとは名乗らず、Benjaminと酒を飲み交わします。Benjaminのタグボートは世界各地での仕事を引き受けるようになり、彼もニューオリンズから旅立って行きます。またDaisy はNYに出てバレエのダンサーになるのでした。そんな時、第二次世界大戦が始まり、Benjaminが乗り組むタグボートもアメリカ海軍に接収されてBenjaminも戦争に関わるようになります。敵の潜水艦の攻撃を受け乗組員仲間は戦死、命からがら故郷のニューオリンズに帰って来たBenjaminはDaisy と再会を果たします。しかし、急激に彼に惹かれるDaisy に付いていけないBenjaminは彼女の誘いを断り、二人はまた別々の道を歩き始めます。年をとったThomasはBenjaminに全てを告白し、財産を残して死んで行きます。
そんな時にパリでバレエ公演をしているDaisyが交通事故に遭ったという連絡が来ます。車に轢かれて足を怪我した彼女はもうバレエができない体になってしまいます。故郷に連れて帰りたいと言うBenjaminを拒否するDaisy。しかし、数年後、ニューオリンズの彼の元にDaisyが戻って来ます。二人でヨットの旅を楽しんで家に帰ると、育ての母Queenieは帰らぬ人になっていました。Daisyと家を買い、夫婦として暮らし始めたBenjamin。Daisyが妊娠し、やがて女の子が生まれます。しかし、Benjaminはどんどん若返って行く自分がいつかDaisyに子供のように面倒を見てもらう日が来ることを心配し、静かにDaisy達のもとを去って行きます。
さらに10年以上の歳月が流れ、ニューオリンズでバレエ教室を開くDaisyの元を一人の青年が訪ねて来ます。それは今はティーンエイジャーにしか見えないほど若返ったBenjaminでした。彼はDaisyと一夜を共にしますが、すでに再婚しているDaisyに安心して、また旅立って行きます。
そして数年、Daisyの元に電話がかかって来ます。Benjaminは体は少年のように若返っているものの老人のように認知症を患い、自分が誰なのか分からなくなってしまったのでした。Daisyは彼を引き取り、最後には赤ん坊の姿になって息を引き取るまで面倒を見るのでした。
日記を読み終わったCarolineは、これまで知らなかった母親の過去を知り、Benjaminこそが自分の父親だと悟ります。そして、母親、Daisyは静かに息を引き取るのでした。
『The Reader 』(2008年、アメリカ、12/30/08)

少年時代の年上の女性との熱い恋。しかし、再会したその人は戦争中にナチスに荷担した罪で被告人となっていたのでした。自分が証言すれば彼女を助けられるかもしれない…葛藤するMichael。しかし、そんな勇気がないまま、彼女は終身刑を言い渡されます。Michaelがとった償いとは、かつて彼女のベッドの上でしたように本を朗読したテープを吹き込み、刑務所に届けることでした。
影のある年上の女性Hannaを演じたKate Winslet、素晴らしい演技でした。30代から66歳までを演じていて全く違和感なく、戦争中に犯した罪で人生を翻弄される女性をきっちりと演じていました。また、少年時代のMichaelを演じたDavid Krossも、ナイーブで、それでいて少しずるい少年の心理を好演していました。特に、初めてHannaと性的な関係を持ち家に戻った時の表情が、なんとも言えずよかったです。こんな少年だったら自分の過去を全て忘れて溺れてしまうHannaの気持ちが理解できるというものです。その後、大人になってからのMichaelを演じたRalph Fiennes、いいところなし。少年時代との繋がりが余りにも希薄でがっかりしました。彼が出て来るシーンはなくてもよかったんじゃないかと思いました。特に最後の、娘とHannaの墓を訪ねるシーンは、ない方がよかったと思いました。(★★★★☆)
(あらすじ)
1950年代のベルリン、15歳の少年Michael Bergは家に帰る途中で具合が悪くなったところを見ず知らずの女性Hannaに助けてもらいます。数カ月後、全快したMichaelはお礼を言いにHannaのアパートを訪ね、二人はそこから深い関係になっていきます。20歳ほども年上のHannaに深く惹かれ、家族にも秘密で逢瀬を重ねるMichael。学校の帰りにHannaのアパートに寄り、sexをするのが日課になります。そして、ある時、Hannaが学校で何を勉強しているのか尋ねたのがきっかけで、Michaelはsexの前にHannaに本を読んであげるようになります。そんな二人の関係は一夏続き、MichaelはHannaに愛を感じるようになるのでした。
しかし、夏の終わり、Hannaは何も告げずに忽然と姿を消します。ショックを受けるMichaelでしたが、そのまま8年の月日が過ぎていきます。法学部の学生になり、ゼミの仲間と共に法廷を傍聴に行ったMichaelは、呼ばれた被告人の名前を聞いて呆然とします。第二次大戦中に強制収容所でのユダヤ人虐殺に荷担した罪でHannaが被告になっていたのです。裁判が進み、「爆撃されて燃え上がる教会にユダヤ人を閉じ込めたまま見殺しにした」罪が明らかになり、ショックを受けるMichael。そして、Hannaはその時の出来事について嘘の報告書を書いた張本人として厳しい判決を受けることになります。しかし、Michaelは二人で過ごした夏の出来事から、Hannaが文盲であることに気がつきます。そのことを証言すれば、Hannaは首謀者ではなかったことが証明できる…しかし、Michaelはそれを言い出す勇気がなく、Hannaは終身刑を言い渡されます。
数年後、自責の念から妻ともうまく行かずに離婚したMichaelはかつて暮らしたベルリンの両親の家を訪れ、Hannaに読んであげた本を見つけます。Michaelは字が読めないHannaのためにそれらの本を何本ものカセットテープに吹き込み、刑務所に送ります。Hannaはテープの声を聞き、Michaelからの贈り物に感激します。そして、図書館から本を借りて独学で読み書きを習うのでした。たどたどしい文字でHannaがMichaelに書いた手紙の中で、Hannaは昔のようにMichaelをKidと呼ぶのでした。そんなやり取りが何年も続いたある日、Michaelは刑務官から電話を受けます。終身刑だったHannaが減刑されてもうじき出所できること、HannaにはMichael以外には知り合いがないことを聞き、MichaelはHannaを迎える準備を整え初めて刑務所を訪れます。Michaelの手を取るHannaですが、Michaelは何気なくその手を振りほどいてしまいます。やはり、MichaelにはHannaがしたことが理解できなかったのです。
Hannaは全てを悟り、出所目前に首を吊って自殺を図ります。その遺体を引き取りに行ったMichaelに刑務官がHannaの遺書を渡します。そこには、これまで貯めたお金を自分が手にかけたユダヤ人の子供に渡してほしいと書かれていました。MichaelはHannaを失った悲しみに初めて涙を流します。
Hannaの遺志に従ってNYに住むユダヤ人女性を訪ねたMichaelは、その女性の頑な姿からHannaが犯した罪の深さを感じます。そして、ドイツに戻った彼は、自分の娘とHannaの墓を訪れ、自分の青春時代の思い出を娘に話し始めるのでした。
『Marley & Me』(2008年、アメリカ、12/29/08)

結婚後フロリダに新居を構えたJohnとJenniferの二人。やがて子供を育てるための準備として子犬を育てることにします。Marleyはブリーダーのところで割引価格で売られていたラブラドール・レトリバーの子犬。小さいうちはよかったのですが、どんどん大きくなったMarleyは家中の物を破壊しまくり、トレーニングも通用しないとんでもないバカ犬。JohnとJenniferにはやがて子供が生まれ、Marleyは年を取っていきます。…家族の歴史を綴った映画です。
最後にMarleyを庭に埋める時に、初めての子供を妊娠した時にプレゼントされたペンダント(それをMarleyが飲み込んだという曰く付き)を一緒に埋めてあげるところ、ジーンと来ました。こういう結末になるのは分かっていたのに、涙が止まらなくなる映画でした。
「犬は飼い主が金持ちだとか貧乏だとか、頭がいいとかバカだとか、そんなことは気にしない。愛情をあげたら、それにひたすら応えてくれるんだ。」という最後のナレーション、犬でも猫でもそうだなぁと思いました。(★★★★★)
『When Did You Last See Your Father?』(2007年、イギリス、12/27/08)

父と息子の間には何か心理的に複雑なものがあるのでしょうか。また、長く連れ添って何もかも分かり合っているかのような夫婦にも何かしらの亀裂があり、またそれを補うだけの静かな愛情があるのでしょうか。
淡々と「父親の死」という結末に向うストーリーの中で、少年時代から尾を引く父との軋轢や家庭の秘密がうまく織り交ぜられていました。
親子関係について考えさせられる映画です。でも、最近親を亡くした人にはきついかもしれません。(★★★★☆)
(あらすじ)
自分の跡を継いで医者になって欲しいと思う父親の期待に背き作家になったBlakeは、少年時代から自分を認めてはくれなかった父とはどこか相容れないものがあります。父は誇り高く、一家の「王様」として振る舞ってきたのですが、離婚したBeatyという女性と一目もはばからずに親しい関係にあったり、家族旅行の旅先で知り合った女子大生におべっかを使ったりと、母親の存在を軽視していることもBlakeには許しがたいことでした。しかし、そんな父がガンで余命わずかとなった時、Blakeは看護する母を助けるために実家に戻り、父の最後を看取ることになります。久しぶりに生活を共にする父の姿に、少年時代の様々な思い出が蘇り、複雑な心境になるBlake。父は徐々に衰え、母とBlakeに看取られて息を引き取ります。父の葬儀を終え庭に出たBlakeは自分が大学に入学して家を出た時に、自分を抱きしめながら涙を流した父を思い出し、初めて父の死を実感します。父の遺灰を庭に撒きながら、「最後に、元気だった父に会ったのはいつだろう。まぎれもない父の姿をしている時に、父に会ったのは…?」と思い出すBlake。それは、彼のアパートに父と共にシャンデリアを付けた晩、父と二人で笑い合った思い出でした。