『Smoke Signals』(1998年、アメリカ、7/2/07)
Native Amricanの役と言えばAdam Beach。『Windtalkers』という映画の中でも、Navajo インディアンの言葉を暗号として操る兵士の役で出ていました。Thomas役のEvan Adamsが「オタク」っぽいNative Amricanの青年を好演していました。父親への愛情と憎しみが入り交じった感情と向き合っていく青年がいい感じで描かれていました。ちょっと切ない気持ちになる映画でした。(★★★★☆)
(あらすじ)
1976年、アイダホにあるインディアン居留区。独立記念日の夜の火災で、まだ幼いThomasは両親を失います。彼の両親は彼を助けようと2階の窓から放り出し、それを受け止めたのはArnold。Arnoldには、Thomasと同い年の息子Victorがいました。祖母に育てられ、ちょっと変わった少年に育ったThomas。酒浸りで家族に暴力を振るう父親Arnoldに反発しながら成長したVictor。彼が12歳の時、母親と喧嘩した Arnoldは家を出て行きます。必死に後を追いかけるVictorですが、父親は去って行きます。
それから10年、二人は22歳ですが、これまでに一度も居留区の外に出たことがありません。そんなある日、アリゾナに住むSuzy Songという女性からの電話でArnoldが亡くなったことを知らされます。遺体や遺品の整理のためにアリゾナに行かなければならないVictorですが、そのための旅費がありません。Thomasが自分もアリゾナに連れて行ってくれたら旅費を出してもいいと言い出します。やむを得ず申し出を受けた Victorは、変わり者のThomasと一緒に長距離バスでアリゾナに向います。
旅の途中、VictorはArnoldの思い出話を延々と語るThomasにうんざりします。「オタク風」のThomasに「本当のインディアンなら、ヘラヘラするな」と言い、三つ編みの髪をほどかせたり、「warrior look」を教えたりします。
そして辿り着いたアリゾナの居留区で、Suzy Songから父親がどんなにいい人だったか聞かされ、憮然とするVictor。彼の知っている父親は、アル中で、母親にまで暴力を振るい、家族を捨てて出て行ったどうしようもない男だったのです。そんなVictorに、Suzyは、Thomasの両親が亡くなった火事は実はArnoldが酒に酔って花火をしていたために起こったこと、燃え盛る火の中、ArnoldはVictorを助け出しに家に入っていったことを告げます。嫌がるVictorに、 Arnoldが住んでいたトレーラー・ハウスに入って遺品を整理するように言うSuzy。そして、Victorは父親の財布の中に家族の写真が入っているのを見つけます。その写真の裏には“home”と書かれていました。父が自分たち家族を愛していたことを知るVictor。
翌朝、Victorは Suzyに別れも告げず、父親のピックアップ・トラックで家に向います。その途中、事故に巻き込まれる二人。交通事故を起こした男が酔っぱらいで事故に遭った女性の怪我を心配するでもない様子を目撃したVictorは、20マイルも離れた町に助けを呼びに走ります。走っている時、Victorは Arnoldが自分の傍にいるのをしっかりと感じるのでした。
そして、アイダホの居留地に戻った二人。Victorは父親の遺灰の一部を友情の証としてThomasに分けます。そして、故郷の川に父親の遺灰を撒くのでした。