『P.S. I Love You』 (2007年、アメリカ、12/31/07)
最愛の夫Gerryを亡くしたHollyが、折に触れて受け取る生前のGerryからの手紙。その中のメッセージを通してHollyが夫の死と向き合い、新しい人生を始めるまでのちょっと切ないラブストーリーです。HollyとGerryが出会った場所、アイルランドの素晴らしい緑の草原がさわやかさを添えてくれます。また、脇役もいい役者が揃っていて、ほろりと泣かせる作品でした。(★★★★☆)
(あらすじ)
HollyとGerryはHollyが大学生の時に旅行に訪れたアイルランドで知り合い、若いうちに結婚したカップル。NYのチャイナタウンにある狭いアパートで暮らす二人は、子供を作るかどうか、もっと広いアパートに引っ越せるかどうかなど生活設計で喧嘩してばかり。それでも愛し合っていました。ところが、Gerryが脳腫瘍で急死。Hollyはその現実を受け止められず、アパートに閉じこもってしまいます。彼女の30歳の誕生日、心配した母親や姉、友人がアパートを訪ねてきます。そこにバースデーケーキが届けられます。贈り主の名前はGerry。ケーキの箱の中にはボイスレコーダーがあり、GerryはこれからHollyに自分が生前に書いた手紙が届くこと、Hollyはその中に書いてあることを全て実行しなければならないことを告げます。その言葉通りGerryからの手紙は折々に届き、HollyはGerryの手紙に書いてある通りに二人で行ったカラオケバーに行って歌ったり、アイルランドに旅をしたりします。しかし、彼女の母親は「いつまでもGerryの手紙を待ちわびるような生活をしていてはいけない」と彼女をたしなめます。姉や友人の励ましもあってアイルランドではGerryに面影が似ているWilliamに出会いますが、実は彼はGerryの幼なじみでした。Williamに惹かれながらも、次の一歩が踏み出せないHolly。彼女は自分がこの先何をしたいのか悩み、靴のデザイナーになる勉強を始めます。母親の経営するアイリッシュ・バーでバーテンダーをしているDanielとも親しくなりますが、いつまでもGerryを忘れられないHollyを見ているのがつらくなったDanielはHollyのもとを去って行きます。その後ろ姿を見ているうちにたまらなくなったHollyは母親のところに向かいます。母と幼い頃に自分達を捨てて行った父親との間にも幸せな思い出があったことを聞き、涙するHolly。そんな彼女にGerryからの最後の手紙を手渡します。実は自分の死期が近いことを知ったGerryはHollyの母親にこれまでの全ての手紙を託していたのでした。その手紙には「新しく誰かを愛することを怖れないように」というメッセージが。それを読みDanielに会いに行くHollyでしたが、二人はお互いを友達としてしか見られないことを実感します。そして、数ヶ月後、靴のデザイナーとして成功したHollyは母親を連れて再びアイルランドを訪れます。そこで偶然Williamに再会するHollyには新しい愛の始まりを感じるのでした。