『Lagaan』 (2001年、インド、3/18/08)
バリバリのインド映画です。ボリウッド映画と呼ばれるジャンルですね。最初、224分という時間を見て目を疑いました。「間違いに違いない…」と思ったんですが、実際に4時間近い超大作で、途中で「Intermission」という文字が出てきましたから、劇場公開された時は(アメリカで劇場公開されたという話は聞きませんが…)、この休憩で観客はお手洗いに行ったり、飲み物を買いに行ったりしたんだろうと思います。私は3日間に分けて、ようやく最後まで鑑賞しました。真剣なストーリーの途中での、村人総出の派手派手な歌と踊り。これはインド映画には欠かせません。これがなかったら展開がはやいだろうに…と思いつつ、結構楽しみました。ちなみに、タイトルのLagaanはヒンディー語で「税金」という意味です。また、噂に聞いていたインドの国技(?)、クリケット(野球の原型のような球技)も見られてよかったです。(★★★★☆)
(あらすじ)
イギリスの植民地時代の19世紀のインド。インド北部の州では、干ばつのために作物が育たず、農民達は苦しんでいました。その地方を統治しているAndrew Russellは性格が悪く、屋敷を訪ねて来たインド人の領主が肉を食べるのを拒んだことから、去年の延滞分と合わせて2年分の税金を一度に払うようにと無理な要求をします。そのとばっちりを受けた農民達は領主のところに押し掛けますが、その時イギリス人将校達が興じていたクリケットをインド人青年Bhuvanが馬鹿にしたことから、話はますますこじれます。Russellは、3カ月後にクリケットの試合をし、Bhuvanがイギリス人チームを負かすことができたら向こう3年分のこの州の税金を免除に、しかし、イギリス人チームが勝ったら税金を3倍にするという無茶な賭けを持ちかけ、Bhuvanはそれを受け入れてしまいます。あまりにも無謀な賭けを受け入れたことで村人を始めその州の農民全員がBhuvanに対して怒りを持ちますが、Bhuvanは少しずつ村人達を説得し、クリケットのチームを作っていきます。しかし、実はBhuvanはクリケットなどしたことがないのです。そんな時、Russellのあまりにも傍若無人な態度に嫌気がさした妹のElizabethはこっそり村を訪れ、Bhuvan達のチームにクリケットのことを教えてあげるのでした。Bhuvanの幼なじみで、Bhuvanに恋心を抱くGauriはそのことにヤキモキしながらも、農民達の命がかかっているクリケットのチームを応援します。しかし、Gauriに思いを寄せているGuranはBhuvanへの嫉妬心から、Russellのところを訪れ、チームに入りながらも試合当日にBhuvan達を裏切ることを誓わされます。また、Guranの密告でBhuvan達を助けていることをRussellに咎められたElizabethは、兄と大げんかをします。
そして試合の当日、Russell達のチームはいろいろな汚い手を使います。しかも、Guranの裏切りもあって、にわか造りのBhuvanのチームは苦戦を強いられます。大差をつけられた一日目の試合が終ったその夜、Elizabethは屋敷を訪ねて来たGuranの様子を不審に思い、彼が村人のチームを裏切っていることを突き止めます。そのことを知らされた村人達はGuranを追いつめ、Guranは自分の過ちに気がつきます。そして、二日目、次々にバッターがアウトになっていく中、Bhuvan達は健闘し、どんどん点差を縮めていきます。しかし、わざとデッドボールを投げたりする卑怯な手でRussellは村人達を追いつめていきます。そして最後のボールを思い切り打ったBhuvan。そのボールはRussellが守備をしている外野に大きく飛んでいきます。Bhuvanの祈りも虚しくRussellがボールをキャッチ…。しかし、そこはすでにフィールドの外。Bhuvanは最後の最後に逆転し勝利をおさめます。3年分の税金が免除になり大喜びの村人達。その輪の中には、しっかりと抱き合うBhuvanとGauriがいました。駆けつけたElizabethはそんな二人を見て、Bhuvanへの恋心を胸にしまい込みます。Russellはこの試合の責任を取らさせて配属替えになり、Elizabethも兄とともに村を去って行くのでした。